深夜の謀反
                安堂俊雄

サイレンが木霊し
暗闇を パトカーが疾駆していく
幾台も 何台も
曇った拡声器は それでも
予定通りに
がなりたてる

ぼくは一人
何度も
何回も
古い映画のサントラ盤を
聴いている

映像を思い出そうと しては みる
のだ
 それなのに
 ああ
 もはや行くことはできない
 あと幾百年もの間
 夜は明けないのだから

 見えない厚い壁が
 いつのまにか 四方を囲み
 せり出してくる

 渾身の力を込め
 ぼくは
 体当たりの
 機会をうかがっている
  
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